VBAでOS判定(XP~Win11 23H2)

[非推奨]シンプルなOSバージョン判定方法

OSの名称を取得できるApplication.OperatingSystemを使う方法です。
このプロパティにアクセスすると、こんな文字列が返ってきます。

Windows (32-bit) NT 6.01

NT以降の数値がOSのバージョンです。
ちなみにここ数年出ているMicrosoft Office for Macでも、ちゃんと

Macintosh 7.00

とか返してくれるらしいですが、Mcは専門外なので割愛。
そんなわけで、”NT”より右側をVal()でDouble型に変換して判定します。

OSバージョン番号
Windows XP5.01
Windows Vista6
Windows 76.01
Windows 86.02
Windows 8.1、10後述
Windows 1110.00

注意するべきことが2つ

まずは”(32-bit)”ですが、これはOS = 32bitとは限りません。
なぜなら64bitOSでもインストールしたOfficeが32bit版なら”(32-bit)”となるからです。
つまりOSではなく、Officeのアーキテクチャですね。

次に一般的なWindowsマシンならこれで十分でしょうが、Server等も含めちゃうと、このNT以降の数値が意外にもユニークじゃなさそうなんですよね。
詳しくはWikipediaのWindows のタイムライン表を参照してください。
実はExcel5では正しい値を返さないという不具合もMicrosoftから報告されていますが、さすがにこんな古いの使っている人はいないと信じたい…。

ここで困ったことが…

Windows 8 = 6.02以降、
Windows 8.1 = 6.03が返ってきて欲しいのに6.02が、
Windows10は利用環境によって6.02やら.00と意味不明な値が返ってきます。
ので、例外すっ飛ばないようにNT以降の文字列をVal()で数値に変換して、0または6.02以降であれば以下のWin32_OperatingSystemから改めてバージョン番号を取得/判別が必要です。
要するに、現代ではこの方法はナンセンスということですね。

[推奨]ちょい高度なOSバージョン判定方法

Application.OperatingSystemだとOSのアーキテクチャもエディションもわからない。
それじゃあ心許ない人はWin32_OperatingSystemを使います。
その名の通り、WindowsOSの情報が取得できます。

OSのアーキテクチャ、ServicePack、キャプションを取得してみます。

    ' 取得結果を格納する変数を宣言
    Dim lnArchitecture As Long
    Dim strCaption As String
    Dim strCSDVersion As String
    Dim strOSDVersion As String

    ' 初期値を入れておく
    lnArchitecture = 32
    strCaption = ""
    strCSDVersion = "Service Pack 0"

On Error Resume Next

    Dim objOS As Object
    Dim i As Long
    ' Connect to WMI and obtain instances of Win32_OperatingSystem
    For Each objOS In GetObject("winmgmts:").InstancesOf("Win32_OperatingSystem")
        ' アーキテクチャの取得
On Error GoTo OSArchitectureNoSupport
        If InStr(1, CStr(objOS.OSArchitecture), "64", vbBinaryCompare) <> 0 Then
            lnArchitecture = 64
        End If

OSArchitectureNoSupport:
On Error Resume Next

        ' キャプションを取得
        For i = 1 To Len(objOS.Caption)
            Dim strTemp As String: strTemp = Strings.Mid$(objOS.Caption, i, 1)
            If AscW(strTemp) = &H2122 Then
                strCaption = strCaption & " TM"
            ElseIf AscW(strTemp) = &H24C7 Or AscW(strTemp) = &HAE Then
                strCaption = strCaption & "(R)"
            Else
                strCaption = strCaption & strTemp
            End If
        Next i

        ' SPを取得
        strCSDVersion = objOS.CSDVersion

        ' Versionを取得
        strOSDVersion = objOS.Versionn
    Next

    Set objOS = Nothing

ソースの通りです、だとやや寂しいので少し説明。

objOS変数にWin32_OperatingSystemクラスオブジェクトが入り、各プロパティを参照するわけですが、OSArchitectureプロパティを参照する前にOn Error GoTo文を入れているのは、Windows XP(32bit版)ではこのプロパティをサポートしておらず、例外が発生するためです。
On Error Resume NextのままだとIf文の中に入ってしまいますので。
つまり例外が出る = サポートしてないプロパティ = このOSは32bitです。

次に、Captionプロパティを取得後に色々やってますが、これはVistaのエディション名にUnicodeの登録商標マーク(Rを丸で囲った文字やTMを一文字にしたもの)が使われていて、これをダイアログでだそうとすると文字化けするんですよファーック!
というわけで、置き換えてます。
ちなみにこれでとれたキャプションはこんな感じです。

Microsoft Windows 7 Home Premium
Microsoft Windows 11 Pro

さて、Windows8以降はApplication.OperatingSystemで上手く値が取れない環境があるので、strOSVersionに必要な情報を取得しました。
メジャーバージョン、マイナーバージョン、ビルド番号がドット区切りで取れるので、Strings.Splitで分解してあげてください。
メジャーバージョンが6ならマイナーバージョンをチェックし、

マイナーバージョンOS
0

Windows Vista

1Windows 7
2Windows 8
3Windows 8.1
4Windows10 Insider Preview

メジャーバージョンが10なら、マイナーバージョンをチェックし(いらないかな?)、

マイナーバージョンOS
0Windows 10 / Windows11

さらにビルド番号をチェックして、

ビルド番号OS
10240未満Windows 10 InsidersPreview
10240以降Windows 10 正式版 1507)
10586以降November Update 1511)
14393以降Anniversary Update(1607)
15063以降Creators Update 1703)
16299以降Fall Creators Update 1709)
17134以降April 2018 Update (1803)
17763以降Octover 2018 Update 1809)
18362以降May 2019 Update 1903)
18363以降November 2019 Update 1909)
19041以降May 2020 Update(2004)
19042以降Octover 2020 Update(20H2)
19043以降May 2021 Update(21H1)
19044以降November 2021 Update(21H2)
19045以降Windows10 22H2
20000以降Windows11 21H2
22621以降Windows11 22H2
22631以降Windows11 23H2

とチェックしていきましょう。
Windows10は3月と9月に毎年大型Updateするとか…。
Windows10の各バージョンがいつサポート終了するかはこちらを参照してください。
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/13853/windows-lifecycle-fact-sheet

(2020/4/16追記)
2020/4/15、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、Windows10 1809のサポート終了日が2020/5/12から2020/11/10に延期されました。

(2021/7/2追記)
さらに上記リンク先にも記載がありますが、Windows11までついに出てきましたね。
11は大型Updateは年1、サポート期間は2年になるとか。良いぞ……良いぞぉぉ!!!
でもなんでWindows10とビルド番号しか違わないんだ??

Excelの判定は?


他にもニッチなIT関連要素をまとめていますので、よければ一覧記事もご覧ください。

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